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NICO(ヘアメイク)vs古波津監督対談#2

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古:  この屋根の上で二人が布を広げるところでは、彼女が後ろ向きに写った瞬間、すごく美しい編 み込みが見える。あれはどういう発想で作ったの?

ニ: あのヘアーが一番のお気に入りかなぁー。私のテーマになったのは作業感!
ストーリーの中で2人で同じ仕事、作業することでより相手の事を想う片思いみたいな気持ちのシーンで、彼(ヴァンソン)の仕事をさせてもらっている敬意が出せればと思いました。プリシラのヘアーは、異国感を大事にしました。
それから、初めてプリシラにお会いした時にセンターパーツに、コメカミのラインをボリューム付けたラインが似合うっ!と思い絶対取り入れたいヘアーでした。
後ろからみる編み込みは、作業感からきっちり固く編み込み、形は、コスチュームのSERIKAさんの赤いドレスの胸の刺繍(ステッチ)から連想して作りました。

古: 二人が王冠やランプシェード被せられたりして立たされる、『セレモニー』と呼ばれてるシーンがあるでしょ?あそこのヘアーは一瞬しか見えないけど、強烈ですごく面白いね。どうやって作ったの?

作り方
針金にすき毛で土台をつくる
プリシラの髪の毛を細かくブロッキング
針金土台を乗っけて、髪の毛をはわせる
一つ一つ形が出来たら真ん中に、揺れて光ると言ってジュエリーのmugyuさんに作ってもらった、アクセサリーを付けさせてもらいました!全体がすごく重くなっていて、女優のプリシラには、感謝の気持ちで一杯です。
『ありがとう‥プリシラ!!』

古: 次回、おもしろヘアーの謎に迫ります!お楽しみに。

 映画「マリオネット」の詳細はhttp://www.no-work.com/marionette/

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NICO(ヘアメイク)vs古波津監督対談#1

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古: 今回はヘアーを担当したNicoさんにお話を伺います。各シーンでプリシラの髪型が変化しているのが一つの見物。どれも面白いんだけど、絵 みたいだなと思ったのはプリシラが流れ着いて横たわっているところの髪。
私が漠然と思い描いていた、流れるような線が見事表現されていた。あれはどうやって表現しているの?

ニ: 各シーン、全部にテーマ(裏設定)があったこのmarionetteには、何度もディスカッションしあい、ワンシーンのディテールを話し合ってきました。
古波津監督が絵コンテにする前に、出来るだけ皆(監督、撮影、コスチューム、メイク、美術、ヘアー)でシナリオから想うビジュアルを資料やデザイン画を必ず人数分コピーして集まり、一つのシーンに6人6色の意見アイディアがいつも沢山ありました。具体的な絵(コンテ)がないからこそ、シナリオを文字で読んで、6人が形にして表現する!と言うことでmarionetteはセリフがないものを監督発信で掘り下げる事、そしてワンシーンづつに深い意味を持てることが出来たと想っています。とても、意味のあるディスカッションで、昨日のように思い出されます。
そして、質問の「ボートで流れ着いたプリシラの髪」は、全部作りものです。ウェットのテクスチャーにした髪を何日間か、本に挟んで平面にし、色んな円形を作りました。「絵のような‥」と監督からありましたが、最初にかかせてもらったディスカッションの時に、コハツ監督から"哀しみのベラドンナ"の絵がすごくいいんだよー!っと資料をもらって私もすごーく共感、大好きっ!と想い、それをヒントに作り出しました。

古: そっか、ベラドンナも絵だったし、最初から平面的なイメージでいこうって話してたんだね。それにしてもいい仕上がりになりました。
次回はいろいろなシーンに隠されたヘアーの秘密に迫ります!

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ハラダタカシ(オンドマルトノ奏者)vs古波津監督対談#3


古: 赤城さんのパートには切ない要素が多かったですが、ハラダさんに作っていただいたパートはロマンティックな場面が多かったですね。意図したわけではなかったですが、それが結果的にとても良かったと思います。短い間に瞬時に盛上げつつ、楽曲として破綻しないのはすごい構成力のなせる業です。ハラダさんご自身の作曲活動の中では今回の曲たちは特殊な傾向にあるのですか?

ハラ: ロマンティックなのは曲ではなくて、演奏だと思いますよ。曲自体は符号であって、あまり意味深いものでもありません。演奏こそ音楽のロマンティコの源泉ですから。

古: その演奏者としての視点、発想というのは僕にはできないところで、とてもうらやましい部分です。ハラダさんの全体を通して気を使ったところ、難しかったところはどこでしょう?

ハラ: いやそれは録音ですよ(苦笑)。だって何十人ものプロが何日もかけてやる作業をたったひとりでやるのですよ。赤城さんの録音との整合性も考えるし、第一効率悪いしですねぇ。あははそれはともかく、きっといろいろな文化を背景に持つ人々がそれぞれに違った見方が出来る映画だと確信します。自分だけの思いいれでばっちりな映画、どうぞこのブログをご覧の皆様も是非自分だけのマリオネットを操ってくださいね。

古: ではハラダさんのお気に入りのシーンは?

ハラ: 映画の中ほど、ワルツを踊る二人のシーンの直後ですが、ふたつの大小の月に見える夜景が、少女の部屋の中の灯りにそれとなく移行する場面は本当に美しいです。

古: ハラダさん本当にありがとうございました。
次回はヘアーのNicoさんにお話を伺います。お楽しみに!

映画「マリオネット」の詳細はhttp://www.no-work.com/marionette/
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ハラダタカシ(オンドマルトノ奏者)vs古波津監督対談#2


古: 今回はただムードを作る映画音楽ではなかったわけで、最終的にものすごく立体的で心に響く仕上がりになったと思います。ハラダさんは映画の内容に対してどのようなアプローチで踏み込んでいったのでしょう?

ハラ: 映画の無国籍で時代を限定しない要素にとても共感できました。監督はそうは思っていらっしゃらないかしら(笑)。赤城忠治さんも世俗をはるかに超越なさっていらっしゃいますし、いかにもある時代や国を連想してしまうような音楽でなくというのは得意ですから、そう結構わかるわかるという乗りでしたね。軽いかな。

古: 終盤になり、暗い箱の中で二人が向き合う時のエンディング曲は特に素晴らしいと思いました。私はハラダさんには燃えている情熱があるなとあそこで悟ったのですが、あの楽曲はどうやって生まれてきたのですか?

ハラ: 有難う御座います。特別なことはなくて、さっきA2で言った『沸いた』曲のひとつですから。何日か考えた後、一週間か十日ほどだったでしょうか、譜面を書き始めて僕の担当した5曲は全てを一日で書いてしまいました。マリオネットに僕から出てきた解答全てです。それ以外の解答を自分からさらに見つけるのはいささかの困難とぶつかることになります。それと音楽の重要なプロフェッショナルな作業、つまり演奏と録音を一人でこなさなければならなかったしですね。

古: 一気に5曲のスケッチが上がって来た時は驚きました。赤城さんとまた違った進め方で作曲されるんですね。本当にわくわくしたのを覚えています。
さて、次回はハラダさん最終回。苦労話をお聞きしましょう!

映画「マリオネット」の詳細はhttp://www.no-work.com/marionette/

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ハラダタカシ(オンドマルトノ奏者)vs古波津監督対談#1


明けましておめでとうございます!
新年はハラダタカシさんとの対談から始めさせていただきます。
『マリオネット』の音楽をもっとディープに探って行きましょう。

古: ハラダさんに参加していただいた時に、既にハラダさんの作曲すべきパートにはラヴェル作曲の楽曲がのっていました。6割がた完成した状態で入っていただいたんですね。当初はラヴェルをそのまま使う予定でいたので、映像のタイミングもそのラヴェルに沿って編集されていました。後からいややはりオリジナルであるべしとハラダさんからエールをいただき、その楽曲を取
り払い、さらには新たな曲をのせるという難題に挑戦していただきました。これは作り手としては相当大変 だったはずですが?

ハラ: マリオネットの粗編集映像にラヴェルの有名な曲の数々をあてたヴァージョンはまぁ一度観ただけですし、初めて聴いた音楽ならそれにこだわってしまうこともあり得るかもですが、今回はそんなには大事(おおごと)ではありませんでした。映像作家が仮に有り物の音楽をあててくることはよくあることですし=ただし彼等はいつも申し訳なさそうにおずおずと差し出しますね(大
笑)=、共通のヴォキャブラリーが無くて意志の疎通が難しい場合、そのこと自体はわかりやすくてそれはそれで歓迎なんです。むしろ尊敬する赤城忠治さんの素晴らしい音楽がいくつか見事にはまっていましたので、そこから逸脱しないで上手く全体のバランスとることには細心の注意を持って接したつもりです。ただ赤城さんの音楽のいくつかというのは冒頭の天来のように美しい
ヴォーカル曲とやの雪さんのこれまたなんとも魅力的な『SUI YO SUI』の2曲だけが決定していて、しかも赤城さんはまだこれらの録音もやり直すとおっしゃってましたから、う~ん、僕としてはほとんどゼロから参加したつもりで臨みましたよ。

古: ハラダさんのパートは前半の二人の恋模様が中心でした。楽器はピアノとオンドマルトノ。でもハラダさんは作曲する際には楽器を使わず頭で構築するとか?一体どういうプロセスなんでしょう?

ハラ: まず無音で何度か映像を繰り返して観るのです。そして次は映像を目で観るのではなく頭の中で再構成していきます。自分にとってキーポイントとなる瞬間が見つかるのですね。いくつか断片的にある音楽が頭の中で鳴り始めます。具体的に何分何秒のシーンというわけではなく、全体のなかからどんな音楽が自分に湧いてくるのか、一番楽しみな時間でもあります。そして必要な場面に音楽を振り分けます。これ不思議ですが、いつもちゃんと秒単位ではまるんです。音楽というの言うまでも無く<時間>を扱っていますから、意識のもっと下で計算をしているのかもと思います。セリフや効果音が入る場合もしかりです。それらを総合しなければなりませんが、音楽は音楽として独立して聴くに耐えるべきと心得ています。やっと譜面に起こすわけですが、それはピアノやギターを必ずしも必要とはしません。頭の中のものを写し取る極めて職人的な作業ですからね。もちろんピアノで音を確認したりはしますよ。

古: 私が一番興味あるのはそのプロセスですが、一番誰にも真似できないし、誰にも説明しきれない過程でもありますね。次回もハラダさんの神秘的な創作の裏側を紹介します!

映画「マリオネット」の詳細はhttp://www.no-work.com/marionette/

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赤城忠治(作曲・演奏・ヴォーカル)vs古波津監督対談#5


古: 全体見渡してみてどうですか?
赤: もう一度自分の音楽録りなおししてもいいですか?(いゃー冗談です) 
古: !!(あ~ビックリした)
赤:  ”世界でもっとも美しい短編映画”の完成ですね!
遠い昔から誰かに口伝えされてきた”お伽ばなし”を映像で観てるようだね。そして舞台衣装を担当したセリカさんの目を見張る衣装の数々には世界を感じる。ただの”お伽話”を超えて映像に魔術的力を与えている。
ヘアデザインのNICOさんの冒頭のプリシアさんのヘアーも印象的で美しい!メイクの大橋さんも素晴らしい!最後の方で箱の中人形になった二人が忘れられない。 ヘアー、メーク、照明、カメラアングルでほんとに人形になったように見えた。ちいさな
小道具やマリオネット人形、数々の美しいジュエリーに至るまでどこにも妥協してるものがない。
僕は音楽担当だけど今回の”マリオネット”に関わった全てのスタッフに大きな拍手を送りたい!
お疲れ様でした。このPOPな短編は世界のどの国でも愛されるとものだと思う。大人から子供まで想像力をかきたてられる優れた作品だと思う。
古: もうだいぶ聞いちゃったけど、好きなシーンはどこでしょう?
赤: 小さいけど大きい主役のアンバーちゃん。その表情の豊かさが素晴らしかった。彼女、完成試写会の時監督に”どのシーンが好き?”って聞かれ少し悩んで”全部”って言ってたけど、みんなも同じ気持ちだったと思う。 
カメラマンの辻さんの録った数々の綺麗な絵のなかで赤い布のなかでプリシアが振り向くところ。
ヨーロッパの巨匠の映画でも観ているような、映像美。それを支える感動的な照明の光。
音楽と映像のからみあいで好きなのは月の光のなかで”ワルツ”を踊るプリシアとヴァンサン、澄み渡る声。素晴らしい。ハラダさんの、アンバーちゃんが”荷造りをしなさい”とお母さんに言われる前にかかる曲、そしてエンディングの引越しの日の全てを許し受け入れた少女の気持ちを代弁するように盛り上がる美しい旋律。
古: 僕もあの曲は時々鼻歌で鳴らしてます。
赤: 暴風吹き荒れる飛ばされそうな二人。時計台のシーンでのプリシアさんとヴァンサンさんの切ない想いが伝わるあの名シーン。そして湖で鳩を飛ばすシーン。このシーンほんとに綺麗ですね。結局僕もヴァンサンさんとアンバーちゃんと同じで全部のシーンが好きかな。
古: そういう事になりますね。本編35分のうちに楽曲が鳴っている時間の多い事!ほとんどサントラと共にありですね。それも名曲ぞろい。奇跡です。
赤: 神様が見ていた好きなシーンBEST4
  4、暑い夏の夕暮れスタジオで最後のオンドマルトノを入れ、疲れと充実感に満たされている ハラダさんの凛々しい横顔。 
  3、真夜中の自宅スタジオで”ワルツ”の歌入れで疲れはてて眠りながら歌ってたやのさん。(これは僕も目撃しました)
  2、水槽に飛び込むヴァンサンのマリオネットのシーンに、完成した音楽を合わせたときに思わず大泣きしてしまった赤城君。(次の日納品しましたがセリカちゃんも同じく泣いていました)
  1 徹夜続きでCG作業をつづける古波津監督、気がつくとマウスをにぎったまま大きな口をあけ完成した夢を見てる。朝が来る。またやってしまったか。きっとそんな感じかな?
古: ありがとうございました!超ロングインタビューになりましたが、 みなさんついて来てますか?
次回はこの短編のためにこれまた名曲をたくさん作ってくれた、オンドマルトノ奏者のハラダタカシさんが登場です! 


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赤城忠治(作曲・演奏・ヴォーカル)vs古波津監督対談#4


古: 僕は意外と映像よりも音楽の段階で完全に物語を捉えられたという実感があります。
撮影中はまだ感情の重なり方なんかをつかみ切れていなかったと後で思いました。音楽にそのフォローを求めてシワ寄せが行ったんだけど、感情の展開とか、より冷静に正確な注文ができた気がする。

赤: 常にそのことは監督と繰り返し話し合いますが、ただ映像的に驚かすことが主ではなく、(もちろんそういう時もありますが)次に来るシーンの余韻の為だったり、時に破壊的なくらい過激な印象をぶつけたかとおもうと、信じられないくらい美しい一枚の巨大絵画ような映像美があらわれたりする。でも基本的には、目に見えないこまやかな感情の動きを、古波津さんは常に構築しながら大切なものを見失わず織り込んでゆける心優しい監督だなぁと思っています。

古: ありがとうございます。赤城さんが相手だからこそ無限の注文を投げられたんだけど。

赤: 想像から更に創造へとかりたてられながらなんて言い方は大げさかも知れないですが、いつもならあんまりしない実験的なアプローチを古波津監督との仕事では常にやろうと思っています。、そのことで最近は新しい自分の可能性を発見したり、楽しませてもらっています。

古: すごいなあと思ったのは時計塔の歌。音楽的にはあまりあそこに重きを置いていなかったから出来上がった時にすごくビックリした。ヴォーカルが入ってとてもいいムード。前の曲の続きから、時計塔のシーンに入る前に一回切ったでしょ。それで新たな曲として聞かせる。それが良かった。どんな発想の転換があったのかな。

赤: 気に入ってくれて嬉しい!僕もあのシーンは名シーンだと思います。僕はもともとヴォーカリストなのでシンセを多用するのと同じぐらいの割合で声を多重したりします。
どの楽器でも出せない音像や心像が生み出せるからです。どこかに必ずいれてやろうと、いつも待ち構えていましたがついにその時が来たと思いました。それがあのシーンでした。
そしてヴァンソンさんとプリシアさんが演じるふたりの人形には再びやのさんに登場ねがいました。二人の人形の気持ちに彼女の声が欠かせなかった。 

古: そう、男と女の心の風景になったんだよね。それがビックリ。あそこは本当に時計塔に乗っているという設定で作ったシーンだけど、あの歌のお陰で、心の映像か区別がつかなくなったのね。それでいい、それがいいんだと思いました。お互いの心の
距離を描いているから実際の距離なんてどうでもいい、と思わせてくれる。

赤: 古波津監督のもうひとつ大好きなところは、シーンのつなぎの時間の感覚ですね。今回も”間”を多用してますね。ひとつのシーンが終わり”黒み”に音楽が鳴り続けていたり、超破壊的な印象が突然のうつくしい引き絵だったり、”間”と”時間軸”の構築感がいつも大好きです。そういう部分にとても日本を感じたりしているんだ。

古: 「マリオネット」に和を見いだせるのは相当ディープな視線だね。僕も映るものはヨーロピアンだからどこで日本を?と思うと、テンポや空間の取り方だと思った。だから嬉しい。
次回はいよいよ赤城さん最終回。赤城さんの目線で見た「マリオネット」を語ってもらいます!

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赤城忠治(作曲・演奏・ヴォーカル)vs古波津監督対談#3


古: いつも不思議なんだけど、赤城さんはどんな手法で作曲するんだろ う?ギターを 使うんだよね?

赤: ギターもよく使いますが、実は自分でも仕事が終わると、あれはどのようにして作ったか覚えていないんです。 作曲する上で必ずやる順番というのもありません。
自分を変な作曲家だと思います。ここ最近は”一番聞こえない、一番遠い音”から 録音を始めますね。僕の中に”無音の定義”というものがあって、無音を形作っているのは千の雑音だと思っているんですよ。 僕にとってその場にある、空気の音こそが一番重要なのかもしれない。”聞こえていない音”が。

古: 僕、今の質問何回かした事あるんだけど毎回要領を得ない。また今回も分からないっす。
謎のままなんだね。ところで、オープニングの牧歌的な歌はやられました。いきなり遠くの国へ連 れて行かれる感じ。オリジナルの言葉で歌っているから翻訳は誰にもできないんだけど、赤城さんなら知ってるわけだ。あれはどういう内容の歌詞なんだろう?

 水辺に咲く水仙の香りが、私の窓辺まで
    春を運んでくるけど
 わたしは夢の中でその花が散る日を待っている。
    このさみしい夢からはやく私を起こして。
 あなたなら言ってくれる?、これは夢だよと。


 その見知らぬ国では、いくつの太陽が輝いているの?
    それともそこは寒い処?
 運命は私を船に乗せて、遠い異国へと運んでゆくけど
    わたしはあの川の岸辺に、
     心を置き去りにしてしまった。
 恋人よ、あなたならできる。その優しい口づけで
    わたしをこの大地に縛りつけている魔法の鎖から解き放すことが、
     きっと、あなたならできる。
      それはあなたにしかできない。    

古: うおっ!これはこれでまた感動!まさに「マリオネット」の世界だね。そして赤城さんにしか書けない歌です!こういう仕込みというか裏ストーリーがあってのあの曲なのか。
映像で足りない物を音楽が補う、というよりは映像と音楽でそれぞ れ違うものを語っていたりする、見た目によらず複雑な映画なんだよね。音楽コンテ はきっかけや感情線とかすごく細かくて難しかったでしょう?

赤: 一筋縄ではいかない古波津監督の作品にいつも参加する時は心しています。
僕がいつも驚かされるのは、物語を映像化するときの監督の想像力のレンジの広さです。先も言いましたが各シーンで、どの目線で、どの感情線で音楽を語ってほしいといろいろな注文に応えなくてはなりませんが、つながり完成したものを観ると納得しますね。

古: ありがとやんす。さて、次回は繊細な赤城さん音楽のアプローチについて聞きましょう。

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赤城忠治(作曲・演奏・ヴォーカル)vs古波津監督対談#2


古: 主人公がマリオネット達と、そしてアンバーの大きく二種類いるわけです。感情の動きも全く違う二種類が同時に変化しているから、映像は一つでもアンバーの気持ちだったりマリオネット達の気持ちだったり、付ける音楽で解釈が変わるんです。
演出する側としてはその選択がとても面白かった。

赤: しかしひとつの映画の中に、これほどたくさんの感情表現を持つ音楽が立ち並び流れ続ける短編映画は他に類を見ないですね。
”マリオネット”の夏の大変な撮影が終わり、最初に戴いた荒編集の段階では前半の部分に仮としてモーリスラベルのピアノ曲やコンチェルトが当てられていましたね。監督は最終的に全てオリジナルの音楽に差し替えたいという希望があって、それに対してどうすべきか考えた結果僕はこの映画をより完璧なものに仕上げる為に、3人目の作曲家を起用したいと相談しましたよね。

古: スーパー贅沢なプロジェクトですよ!バチが当たるんじゃないかと今でも心配。ちなみにラベルは最初、少女の空想シーンに当てていましたね。

赤: そこで、オンドマルトノ奏者でクラシック界で世界的に御活躍の原田節さんにお願いすることにしました。じつは原田さんとは ここ数年不思議なご縁で、自分のアルバムや前回の古波津監督作品の ”築城せよ”にも参加していただいたりしていて原田さんは僕の作る音楽の理解者でもあったし、心から尊敬する優れたアーティストでなんでも相談できる友人のひとりでもあったので、彼以外には他に考えられなかったです。
既にできている自分の楽曲の中間にすり合わせるように新たに音楽を入れてゆくことは大変だったと思う。

古: それはやりにくいですよ。後でハラダさんにじっくり聞きましょう!

赤: 最初にあてていた僕の曲を受け原田さんは曲を書き始め、それを受け、今まで作った自分の音楽を更に修正を加えたり、新たに足したりを繰り返しました。正直言ってこの仕事に終わりはあるのか?(笑い)と思うときもありましたが、いつもの事といえば予定通りな成り行きでしたね。(笑)

古: ははは!ぐるぐる回って一度OKになった曲もまた作り直してって、螺旋階段をあがるような展開だったね。とてもスリリングで、作る方はハンパじゃなかったと思うけど、聞く方は聞くたびグレードが上がって感動するんだよね。

赤: ひとつの映像の上で、まったく違う3人の感性のコラボレーションが成功しましたね。ほんとに美しく深い仕上がりを見せましたね。はじめてできあがり観た時嬉しくて感動しましたよ。 

古: 僕もです。さて次回は赤城さんのオープニングテーマ、あの謎の言葉の内容に迫ります!
お楽しみに。



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赤城忠治(作曲・演奏・ヴォーカル)vs古波津監督対談#1


間にまたロサンゼルスへ行き、AFM(アメリカン・フィルムマーケット)に参加したりしていました。すっかり滞ってしまったこのおもしろい企画、ちゃんと続けますのでどうぞ皆さん見捨てないで下さい!

古: 今回、「マリオネット」の音楽を担当してもらった赤城さんです。 原田さん、やのさんとともにたくさんの曲を作ってくれました。演奏はもちろん、ヴォーカルも素晴らしかった。
今回の「マリオネット」、撮影を始める前から曲作りを始めても らっていたけど、その時はこういう完成図が描けていたのかな?

赤: 勿論ここまでゆくとは夢にも描けませんでした。僕は常に、音楽を手がける時は真っ白な状態からスタートしますが、そして大抵は最初に話を聞いた瞬間にメロディーやイメージ音が頭の中を駆け巡ります。その印象は消えることないですが、それを
具体的に世界に表す製作の段階で苦心します。この頭のなかに鳴っている”音”はいったい何の音?なんだろうか。

古: まさに雲をつかむような作業ですよね。

赤: 最初に古波津監督からサイレント映画でアートフィルムを作るお話があり、それに先立ち”ワルツ”を踊るシーンの音楽とオープニングテーマ曲を作ってほしいとの事でしたね。

古: そう、撮影時に踊るための音楽が欲しかったのと、前もってイメージをお互いに固めておきたかった。

赤: ”ワルツ”のシーンで作った音楽はテルミン奏者のやの雪さんがテルミンに出会う前、彼女が実験的な試みで、一切の楽器を使わずに”ひとつのVOICE"だけでライブをしてた頃の楽曲を、新たにリメークして、やのさんに歌ってもらいました。 世の中にある優雅で華麗な”ワルツ”とは違いますが、監督はこの物語の流れにもっともふさわしいと気にいってくれました。
まず僕はそこにクサビを打ち、いざオープニングテーマを作り始めました。場所や時代、空気感がオープニングの音楽が終わる時まで支配するので僕は異国の、何処でもない国の、あやしくも美しい開いてはいけない絵本のような不思議な国を思い描き
ました。

古: 短い映画の中にたくさんの楽曲を作ってもらいましたね。赤城さんに は特に中盤以降、少女が登場してからの曲が多いんだけど、主人公二人の運命が翻弄され ていく様を たくさん表現してもらっています。今回の楽曲作りで一番気をつけたのはどんな ところ?

赤: 音楽を作る上で一番気をつけたかったのは、”マリオネット”という世界観や題材がただ小さいおもちゃの世界の音楽に収まりたくない。リアルでありたい!。 そして”魂のファンタジー”でありたい!と考えていました。
少女の中に生まれた止められない狂気や、人形たちの人間へのあこがれはすぐには形になりませんでしたが。よく監督は”このシーンでは少女が主役で映っているけど、音楽はもうひとつの目に見えない視点で付けて下さい。”とか段々とその意図したいことが、理解し始めると作曲も流れだしますね。 

古: 抽象的なリクエストですが、すごくきつい縛りでしたね。でも赤城さん、驚くほどきっちりとハマっていってとても素晴らしかったです。
次回も赤城さんワールドが続きますよ!

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